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『猫は抱くもの』沢尻エリカ×コムアイ インタビュー

沢尻エリカ、「もう違和感しかなかった」撮影を振り返る

『猫は抱くもの』沢尻エリカ×コムアイ インタビュー
「そんな偶然あるの?」の連続ですっかり仲良く/沢尻エリカ

『猫は抱くもの』
2018年6月23日より全国公開
(C)2018「猫は抱くもの」製作委員会
大島弓子原作の漫画を映画化した『グーグーだって猫である』(08)や同作のドラマ版も手がけ、猫好きとしても知られる犬童一心監督の最新作『猫は抱くもの』。地方の小さなスーパーで素性を隠して働く元アイドルの沙織と、店には内緒で飼っているロシアンブルーの猫の良男の交流を中心に、売れない画家やほかの猫たちの姿も描いている。夢に破れて傷ついた心を良男にだけ開く沙織を演じた沢尻エリカと、売れない画家・ゴッホに飼われていた猫・キイロを演じたコムアイに話を聞いた。


──オファーが来て脚本を読んだ時の率直な感想をお願いいたします。

沢尻:脚本を読んでも、正直、想像できない部分がたくさんありました。一体どうなるんだろう、と。撮っている間も、どう映ってるんだろう?とずっと思っていて、仕上がったものを見て「あっ、こうなったんだ」みたいな感じですね。

『猫は抱くもの』
(C)2018「猫は抱くもの」製作委員会
コムアイ:野外のシーンなので、ロケかと思ったら、劇場の舞台で撮ったりとか。現場で「このシーン、今日ここで撮るんだ」と思ったことが何度もありました。

沢尻:そうそう。「こういうことだったんだ!」と現場で気づくこともあって。

コムアイ:しかも全部、舞台上で演じるわけではなくて、実際のロケもあるから。舞台だけじゃなくて、劇場の客席の上にもセットを作って撮ったんです。どこまで撮影しているのかとか、それは監督しかわかっていない状況でした。

──さっきおっしゃったように、完成品見てやっと全容が見えた感じですね。

沢尻:映画には現実なのか妄想なのか分からない世界があるんです。例えば舞台上のシーンが一概に全部妄想とか想像とはいえないんです。そこは明確な線引きをしていない。撮ってる時も、どこまでやろうかと話し合いもしましたが、そこは受け取る側に自由に考えてもらおうということになりました。私自身、作品を見て、あるキャラクターについて「幻だったのかな」とも捉えられると思って。それは見る人それぞれの解釈があっていいと思います。

──舞台を使った演出についてお聞きします。群馬県の実在の劇場で撮影したそうですが、ああいう場所で演じると、それだけでインスピレーションが湧くのではないかと思います。

『猫は抱くもの』
(C)2018「猫は抱くもの」製作委員会
沢尻:そうですね。すごく素敵なクラシックな劇場で……。

コムアイ:壁とかもかっこよかったです。

沢尻:おしゃれでね。すごく雰囲気があって、ちょっとノスタルジーも感じるような。すごく独特な空間で、作品とマッチしていたと思います。

コムアイ:劇場にセットを作ってそこで撮るとか、監督がフェデリコ・フェリーニを好きなのもあるのかなと思います。大林宣彦さんのことも考えてるかもしれない。あと、『トニー滝谷』の話もしてました。あの映画では、家の中やオフィスのシーンで窓から見える外の景色がありますが、実は屋外に壁を作って、椅子とテーブルを置いて室内を作っているんです。そういう中と外を入れ替えて作るみたいなことを、今回チャレンジしてると思います。

──人間がネコを演じるということも斬新です。それも特殊メイクでつくり込むわけではなく。コムアイさんも吉沢亮さんもすごくネコっぽい。共演していて沢尻さんはどう感じられましたか?

沢尻:それまた難しいですけど。本当に良男(吉沢の演じたキャラクター)だ、と自分の中で思って。

──違和感なく?

沢尻:もう違和感しかないです。逆に言ったら(笑)。

コムアイ:(笑)。

沢尻:でも、実物の良男というか、ネコ本来の姿を演じたロシアンブルーもすごく端正な、綺麗な顔立ちしていて、吉沢君も本当に美形だからすごくマッチしてると思う。

コムアイ:私たちにはもう一緒にしか見えない。

──膝枕をするシーンも「ネコだ」と思いながら?

沢尻エリカ
沢尻:そうですね。なでる時も、実際は毛じゃなくて、洋服を着ているから引っ掛かったりするんですよ。

コムアイ:結構、遠慮なくいってて、いいなと思った。

沢尻:わしゃーって(笑)。

コムアイ:わしゃーって。髪の毛とか(笑)。ネコにぐうってやる感じ。

──お気に入りのシーンや苦労した点など、教えてください。

コムアイ:さっきの取材では、私が歌ってるところが一番好きって言ったんですけど(笑)。

沢尻:私もそうなの。そこが一番好き。楽曲も良くて、雰囲気がすごくはまってて。何ともいえない気持ちになる。

コムアイ:私、スナックのカラオケのシーンとその前後が好きです。峯田和伸さんが演じる画家のゴッホ像がすごくはっきりしてきて、それを見てる沙織の顔がすごく揺らぐ。感情が揺らされちゃってるところ。それまでネコとかでのんびりしていた映画が、すごい強さを増す。いきなり来るんですよね。

沢尻::とにかくシーンが続いてるので。アトリエに入ってゴッホと話して、カラオケに行って、また戻ってくるまでの流れをずっと一連でやってつなげなきゃいけない。ノーカットで撮るので、それは緊張感もすごくて。3回撮ってるんです、アングル変えなきゃいけないから。体力も精神力もすごく使ったので、終わった時には、どっと倒れこむ感じでした。

コムアイ:ネコたちもその時は先に帰って、現場には触れられない感じでしたね。

コムアイ
──コムアイさんは映画初出演で、いきなりネコ役というのはハードルが高いかと思いますが?

コムアイ:私はそんなにネコを意識しないでやりました。キイロという役は、ネコだけど、考えていることはすごく理解できて。人間より理解できるぐらいかも。いろんな人の感情や状況を見て、いろいろ感じ取って。別にその中に入るわけでもなく、スーっと流れていきながら、観察してリアクションしてる。「世の中ってそうなんだ」と言いながら、進んでいくのですが、自分もそんな感じだし。意思を持って、目標を立てて、そこから逆算して進めていくようなキャラクターより、全然やりやすい。自分そのまんまでした。無理して別物になったり自我を抑える感覚がなかったです。

沢尻:ネコの自由気ままさっていうのを、多分もとから彼女の中にあるんでしょうね。すごいぴったりきてました。

──お二人はとても仲よさそうですが、今回は劇中ではほぼ共演は……。

沢尻:そう、絡みが……。

コムアイ:ほんとにない。

沢尻:ない。多分。

──では撮影が終わってから親しくなった感じですか?

沢尻:さっき話した劇場での撮影ですけど、まとめて撮るスケジュールだったので、みんなで現地に行って。その時に楽屋で2人きりの待ち時間があって。

コムアイ:ずっと話してましたね。

沢尻:趣味の話とかして、すごい打ち解けた。

コムアイ:そう。「旅行とかよくするんですよね」とか(笑)。みんながいると、聞きづらくて。話していたら、たまたま去年何回か、東京じゃなくて海外とかで同じ日に同じ場所にいたみたいなのが幾つかあって。

沢尻:それすごくないですか? 去年、私アメリカに2回行ったんですけど、その時に行ったフェスに──。

コムアイ:両方、同じ日に同じ場所に。

沢尻:同じ場所にいるんですよ。

コムアイ:もう数十メーターみたいな距離。でも会ってないんですよ。

沢尻:会ってはないけど、「でも絶対どっかですれ違ってたよね」と。それが去年の夏で、10月にこの作品入って、楽屋で「嘘でしょ」「そんな偶然あるの?」とびっくりしちゃって。音楽の趣味とかも合うから。

コムアイ:遊びに行ったね。

沢尻:一緒にクラブ行ったり、コムアイが誘ってくれてタイのフェス行ったり。

(2018/06/22)


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沢尻エリカ
さわじり・えりか

1986年生まれ、東京都出身。2004年に森岡利行監督の『問題のない私たち』で映画デビューし、井筒和幸監督の『パッチギ!』(05年)のヒロインを演じて第29回アカデミー賞新人俳優賞、話題賞俳優部門ほか各賞を受賞。その後、森田芳光監督の『間宮兄弟』(06年)、生野慈朗監督の『手紙』(06年)、行定勲監督の『クローズド・ノート』(07年)などに出演。蜷川実花監督の『ヘルタースケルター』(12年)では日本アカデミー賞主演女優賞を受賞し、園子温監督の『新宿スワン』(15年)、白石晃士監督の『不能犯』(18年)などに出演。今後は9月に『食べる女』、10月に『億男』と出演作の公開が控えている。

コムアイ
こむあい

1992年、神奈川県出身。2013年に結成したユニット「水曜日のカンパネラ」のボーカル。2014年11月に発売した「私を鬼ヶ島に連れていって」に収録された楽曲「桃太郎」が話題となり、ユーモアと中毒性のある音楽やパフォーマンスで人気を博す。音楽活動の傍ら、DOLCE&GABBANAのミラノコレクションにてミレニアルズとしてランウェイを歩き、VOGUE WOMEN OF THE YEAR 2017に選ばれるなど、様々な活動を行っている。今作が映画初出演。最新EP『ガラパゴス』が6月27日リリース、6月30日、7月1日には河口湖ステラシアターにて野外ライブが開催決定している。

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