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『ピーターラビット』ウィル・グラック監督インタビュー

世界一有名なウサギたちを実写映画化!

『ピーターラビット』ウィル・グラック監督インタビュー
原作者のポターやピーターラビットが好きな人のためにつくった映画

『ピーターラビット』
2018年5月18日より公開
美しい田園地帯が広がるイギリスの湖水地方。2017年には世界遺産にもなったこの場所で繰り広げられるウサギと人間の物語、『ピーターラビット』が、5月18日より公開される。

絵本作家ビアトリクス・ポターが描いた物語を映画化したウィル・グラック監督に話を聞いた。


──『ANNIE/アニー』も映画化したグラック監督ですが、なぜ本作を映画化しようと思ったのですか?

監督:幼いときに、両親が「ピーターラビット」の絵本を読んでくれたんだ。その時のことをよく覚えてはいないけれど、僕はこの可愛らしいキャラクターが大好きだった。そして、子どもたちが同じくらいの年齢になった時に、僕も子どもたちに「ピーターラビット」を読んであげた。その時に、僕は再びノスタルジックな感情が芽生えたんだ。さらに、僕はこの時初めて、この物語が暗い部分を持っていること、そして大人向けのものであることだとわかり、「庭に入ると、お父さんのようにパイにされてしまうよ」と言われることの本質に気づいたんだ。そう言われても庭に入っていくなんて、かなりいたずら好きだよね。そんなキャラクター設定が大好きなんだ。それから僕らはビアトリクス・ポターの書いた他の本や物語の全てを読んでいって、その本質は本当に素晴らしいものだと思ったよ。そんな時、オーストラリアのCGI天才集団“Animal Logic”が僕のところに来て、「やあウィル、これを君とやってみたいんだけどどう思う?」って聞いてきたから、もちろん僕は「やろう」って答えたよ。

──ウサギたちのシーンはどのように作っていったんですか?
『ピーターラビット』
2018年5月18日より公開

監督:この映画は、“Animal Logic”がいなければ始まらなかったと思うよ。なぜなら、彼らはアニメーションというものを熟知しているし、それを実現する技術も持っている。逆に危険なのは、彼らが全て出来てしまうということを僕が知っているので、僕は俳優という武器をアフレコブースに装備し、よし、あれもやってみよう、これもやってみようと楽しい時間を過ごしながら、ブースの中で物語をどんどん書き上げていってしまうことだ。そしてブースを出て自分のオフィスに行き、オーストラリアに連絡をして「セッションはうまくいったよ。全部もう1回やりなおそう」ということになるんだ。彼らは「またかあ……」と言っていたけど、それでもしっかり仕事をこなしてくれた。皆、この映画を見始めてすぐ、これがCGであることを忘れてしまうと思う。動物たちが話しているということさえ忘れてしまうほどだよ。本当のウサギやアナグマだと思ってしまう。僕が“Animal Logic”をもっとも誇りに思っているのは、エンディングのとても感動的なシーンで、ピーターたちの感情がスクリーンを通して伝わってくるところだ。毛や微妙な動きを見ていると、CGであることは完全に忘れてしまう。CG映画だということを観客の頭から消し去るべく、彼らは必死に働いてくれたよ。そして見事にそれをこなしてくれた。

『ピーターラビット』撮影中のウィル・グラック監督(右)
──ピーターたちを大切にしている女性、ビアをローズ・バーンが、ビアの隣人マクレガーをドーナル・グリーソンが演じていますね。

監督:まず、僕はローズ・バーンをキャスティングしたかったんだ。以前も一緒に仕事をしたことがあるから友だちだし、彼女は完璧なビアだと思ったからね。それでローズに声をかけてみたら、彼女もめずらしく「やるわ」と言ってくれたんだ。そして、マクレガーには、僕が大好きなドーナル・グリーソンに声をかけてみた。素晴らしい俳優だし、コメディも得意だからね。彼も、ローズ・バーンが大好きだったようで、快諾してくれた。すべてうまくいき、ビアトリクス・ポターやピーターラビットへの愛に包まれたんだ。皆、感情的なつながりを感じていたからね。
 撮影はとても面白かったよ。実際には、彼らは動物とは違うものと向き合って撮影をしていたんだ。ぬいぐるみだったり、棒を持った人だったり、テニスボールだったり、あるいは光を手にした人だったり。ローズ・バーンが美しい田舎地方の草原の中央でひざをついて、テニスボールのついた青い棒と向き合ってい泣き出す……なんていうのを見るのはおかしかったね。カットの声がかかったあと、僕らはいったい何をしているんだ?なんて思うこともあったけど、2人とも素晴らしい俳優・女優で、驚くべき仕事をしてくれたよ。

──お気に入りのシーンはありますか?

監督:僕はローズ・バーンとドーナル・グリーソンのシーンが大好きなんだ。そのシーンでは、ウサギたちが彼らを観察しているところが良いよね。2人の大人が初めて出会って、次第に結ばれていくのを、まるで子どものようなうさぎたちは「何だこれ?」「何が起きているんだ?」と思いながら彼らを見ているという設定はとても普遍的でおもしろいと感じたよ。そしてピーターがそれに対してあれこれ言うのが許されるのは、それがジェームズ・コーデン(ピーターの声を担当する名優)だからだろうね。

──映画に込めたメッセージについて教えてください。

監督:まずは、僕らがビアトリクス・ポターに最大の敬意を払っていることを理解して欲しいと願っているよ。何よりもまず、ビアトリクス・ポターやピーターラビットが好きな人のためにつくった映画なんだ。そして2番目はファミリー。そして3つめは、誰もが間違いを犯すということ。そしてその間違いにどう対処していくか。映画の中にはそれに対する強いメッセージがあると思う。薬ではなく、たくさんのお菓子とニンジンと一緒に届けられる形でね。だからみんな家へ帰る時には、そのメッセージに気が付いてくれると思うんだ。

(2018/05/17)


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ウィル・グラック
Will Gluck

ニューヨーク市出身。『俺たちチアリーダー』(09年)で長編映画監督としてデビューし、『小悪魔はなぜモテる?!』(10年)、『ステイ・フレンズ』(11年)、ジェイミー・フォックスとクワベンジャネ・ウォレスが共演した『ANNIE/アニー』(14年)などを監督。

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