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『リメンバー・ミー』松雪泰子インタビュー

命を繋いでいくこと、それが親である私の使命

『リメンバー・ミー』松雪泰子インタビュー
女性は強い生き物、役に共感できるところはたくさんあった

『リメンバー・ミー』
2018年3月16日より全国公開中
(C)2018 Disney. All Rights Reserved.
先日行われたアカデミー賞授賞式で栄冠を手にした各作品に注目が集まっているところだが、なかでも長編アニメーション賞と主題歌賞の2部門を受賞した話題作といえば『リメンバー・ミー』。名作『トイ・ストーリー3』のスタッフによる本作は、『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」で世界中を熱狂させた作曲家ロバート・ロペス&クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻が主題歌を手がけていることもあり、子どもから大人まで多くの人が公開を待ち望んでいる。

今回の題材となるのは、毎年メキシコで行われている伝統的な祭礼行事「死者の日」。音楽を禁じる家族のもとで育ちながらも、ひそかにミュージシャンを夢見る少年のミゲルが主人公となっている。そんなある日、死者の国へと迷い込んでしまったミゲルは写真でしか見たことのない先祖たちと出会うが、その一人として登場するのがひいひいおばあちゃんのイメルダ。そこで、日本版声優としてイメルダを演じた女優の松雪泰子に、本作の見どころや家族への思いを語ってもらった。


松雪泰子
──最初にこの作品を見たとき、どのようなところに魅力を感じましたか?

松雪:まずは色彩の素晴らしさとピクサー史上最高傑作といわれている圧倒的な映像美ですね。マリーゴールドの花びらで出来た橋を渡って死者の国に入っていく瞬間は、鳥肌が立つくらい美しいと感じました。ストーリー自体はシンプルで、普遍的なテーマなんですが、世代を超えた家族の深い思いが見事に表現されているので、どんな世代でもどの国の方でも、素直に共感できる作品だなと思います。
 あとは、あっという間に『リメンバー・ミー』の世界に引き込まれてしまうので、見終わっても「ずっとこの世界から離れたくない」と思ってしまうような感動と高揚感もありますね。すごく元気にもなれるし、本当に素晴らしい映画だなと思いました。

──そのなかでも一番印象に残っているシーンがあれば教えてください。

松雪:一度死んでしまうと死者の国に行くことになるんですが、そのあと祭壇に写真を飾ってもらえず、家族の記憶からも消えてしまうと二度目の死を迎えるというシーンがすごく印象に残っています。そうやって生きている人の記憶のなかにあることで存在しているというのは尊いことだなと思いますし、だからこそ先祖のことを想う時間というのはすごく大切にしたいなという風に改めて感じました。

主人公でギターの天才少年ミゲル(石橋陽彩)とひいひいおばあちゃんで勇敢な女性イメルダ(松雪泰子)/『リメンバー・ミー』(C)2018 Disney. All Rights Reserved.
──今回、イメルダの声を吹き替えるうえでこだわったところはありますか?

松雪:すごく威厳があって、愛情深くて、ユーモアもあって、チャーミングさもあるような女性なので、しっかりとした力強い声のなかにもいろんな色合いを出せたらいいなと思って演じていました。あとは、ラテンの明るさとちょっと荒っぽい感じというのも出していきたいなという風にも思っていましたね。

──そんなイメルダは家族を守る強さがあり、とても自立した女性だと思いますが、同じ母親という立場から見ていかがでしたか?

松雪:イメルダは夫がいなくなって、ひとりで家族を守っていかなくてはいけないということもあっての強さですけど、そもそも女性というものは強い生き物なので、共感できるところはたくさんありました。

──ミゲルは先祖の遺伝子に導かれるようにして音楽の道に進もうとしますが、ご自身も先祖から受け継いでいると思うことはありますか?

松雪:私の生まれたところはとても田舎で、自然がたくさんあったので、やっぱり私も植物が大好きなんです。そういうものが生活の中にないと、息苦しくなったりしてしまうので、植物を育てたり土を触る時間がすごく好きで、いまもガーデニングをしたりしています。なので、私にとっては、自然との触れ合いがきっとそうなんだと思います。

『リメンバー・ミー』
(C)2018 Disney. All Rights Reserved.
──ちなみに、先祖やご家族の影響で女優という職業を選ばれたということはないですか?

松雪:それはないですね。でも、子どもの頃からなぜか物をつくることがすごく好きで、料理をしたり、お菓子を作ったり、洋服を縫ったり、絵を描いたりといったクリエイティブなことをしていました。なので、先祖のどこかにいるのかもしれませんね(笑)。

──本作では誰もが家族の絆について改めて考えさせられますが、ご家族に対していまはどういう思いを感じていますか?

松雪:自分のルーツである先祖たちの存在があって、いまの自分が存在しているんだということに対する感謝の気持ちが自然と湧いてきていますね。そうやって代々育まれてきた血縁の命によって存在できているので、それを繋いでいくのがいま親である私の使命なんだなと思います。

──ご自分の息子さんや次の世代に伝えていきたいことはありますか?

松雪:息子やその友だちを見ていて思うのは、彼らは新しい世代の子どもたちなので、私たちよりも進化しているというか、平和で穏やかな子たちが多いような気がしています。だから、そのままそれを失わずのびのびと育ってくれたらいいなと思います。どんな環境にも負けずに、自分のやりたいことや信念をまっとうして、ミゲルのように夢をあきらめないで生きていって欲しいです。

──今回、この作品に欠かせないのは魅力的な楽曲の数々ですが、ご自身も歌うシーンに挑戦されてみていかがでしたか?

松雪:私が歌うシーンは後半の重要なところで出てくる曲でもあったので、「しっかりと務めなくてはいけない」という思いがありました。ただ、メキシコの民謡というのは音階がすごく難しいんですよ。なので、そのために2ヵ月くらい準備をして、何度もトレーニングをしてから本番に臨みました。

(2018/03/17)


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松雪泰子
まつゆき・やすこ

1972年11月28日生まれ、佐賀県出身。モデルとして活動を始めたのち、91年にテレビドラマで女優デビュー。その後、主演を務めたドラマ『白鳥麗子でございます!』(93年)で不動の人気を獲得する。主なドラマ出演作は、NTV『Mother』(10年)、NHK大河ドラマ『平清盛』(12年)など。また、映画や舞台においても欠かせない存在となり、2006年には『フラガール』で第30回日本アカデミー賞優秀主演女優賞と第19回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞。さらに、『デトロイト・メタル・シティ』(08年)と『容疑者Xの献身』(08年)の2作品で第32回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞している。近年の映画出演作には、『古都』(16年)、『鋼の錬金術師』(17年)などがある。

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