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『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』ジャンフランコ・ロージ監督インタビュー

1万5000人が溺死、難民問題の最前線で紡いだ物語

『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』ジャンフランコ・ロージ監督インタビュー
現地で、メディアでの報道とは全く違う複雑さを発見した

『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』
2017年2月11日より全国順次公開
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イタリア最南端、5000人ほどが暮らすのんびりとした島、ランペドゥーサ。ここはアフリカや中東からヨーロッパを目指す難民たちの玄関口のひとつでもあり、この20年間で約40万人の難民が上陸し、1万5千人がシチリア海峡で溺死したといわれている。

『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』で2013年ヴェネチア国際映画祭最高賞・金獅子賞を受賞したジャンフランコ・ロージ監督が手がけたドキュメンタリー『海は燃えて いる〜イタリア最南端の小さな島〜』の舞台となるのはこのランペドゥーサ島。ロージ監督は、ニュースなどからはうかがい知ることのできない難民問題に迫り、16年度ベルリン国際映画祭の最高賞・金熊賞を受賞した。

メリル・ストリープに「現代を生きる私たちに必要な映画。この映画が世界中で公開されるためならどんなことでもする」と言わしめた本作について、自身も少年の頃に中東からイタリアへと移り住んだロージ監督に語ってもらった。


──本作を作った経緯を教えてください。

『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』
監督:2014年、ヨーロッパの移民、難民問題についての短編映画を撮るために初めてランペドゥーサ島を訪れました。しかし実際に島に行ってみて、メディアでの報道とは全く違う複雑さを発見し、それを短編映画に納めることなど不可能だと気づきました。この島を理解するには、この島に時間をかけて入り込む必要がある、そのための方法を探さなければならないと知ったのです。

──その手引きとなったのが、島に暮らすたった1人の医師、ピエトロ・バルトロさんだったのですね。

監督:ドキュメンタリー映画を作っているとよくあることですが、思いがけないことが起こります。私はひどい気管支炎になり地元の救急医療室に行ったのですが、そこでバルトロ医師と出会ったのです。彼はこの30年間、救助された移民、難民の上陸にすべて立ち会ってきた人物でした。上陸した人々を、病院や抑留センターへ行く者、死亡した者に振り分けるのが彼だったのです。

──バルトロ医師からはどんなことを教えてもらったのですか?

監督:彼は私が映画監督とは知らないまま、医療施設や人道救護の現場での経験を話してくれました。その話、そして、彼の使う言葉は深い感動を与えてくれました。
 私たちはお互いの理解を深めていき、私は彼こそがこの映画の主要人物だと理解しました。1時間半ほど話し合った後、バルトロ医師はこれまで誰にも見せたことのない写真を見せ、私に移民や難民の悲劇を伝えてくれました。それは胸が張り裂けるような写真でした。その瞬間、私はこれを自分の次回作にしなければならないと悟ったのです。

(2017/02/10)


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ジャンフランコ・ロージ
Gianfranco Rosi

1964年、エリトリア国アスマラ生まれ。エリトリア独立戦争中、13歳で家族と離れてイタリアへ避難。青年期をローマとイスタンブールで過ごす。イタリアの大学卒業後、85年、ニューヨークに移住。現在はイタリアならびにアメリカ合衆国民。 ニューヨーク大学フィルム・スクール卒業後、インド全土を旅し、中編「Boatman(原題)」の製作と 監督を務めた。この作品は、サンダンス映画祭、ロカルノ国際映画祭、トロント国際映画祭を含む 様々な国際映画祭で上映され、成功を収めた。2008年、カリフォルニア州スラブ・シティで撮影さ れた初の長編作「Below Sea Level(原題)」は、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門ドキュメン タリー賞、そして最も優秀なドキュメンタリーに贈られるDoc/It賞を受賞。10年には、メキシコの麻薬カルテルの殺し屋から、警察協力 者となった人物のインタビュー映画“El Sicario, Room164(原題)”を撮影。ヴェネチア国際映画 祭で国際批評家連盟賞、Doc/It賞を受賞した。13年に 長編映画『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』を製作し、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。ドキュメンタリー映画では初の快挙として話題を呼んだ。

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