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『キャロル』トッド・ヘインズ監督インタビュー

アカデミー賞ノミネート! 鬼才監督が愛の名作を語った

『キャロル』トッド・ヘインズ監督インタビュー
現実の50年代には興味がなかった

『キャロル』
2月11日より全国公開
(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
映画『キャロル』は、50年代のニューヨークで運命的に出会った2人の女性の愛の物語で、「自分に正直に生きる」ことの意味を問いかける名作だ。

大ヒット映画の原作としてしられる「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」などを手がけた作家パトリシア・ハイスミスが別名義で発表し大ベストセラーとなった小説を、独特な映像美で人気の鬼才監督トッド・ヘインズが映画化。ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの共演も素晴らしく、アカデミー賞にもノミネートされるなど話題を呼んでいる。

各国の映画批評家たちがこぞって絶賛する本作について、ヘインズ監督に話を聞いた。


──『エデンより彼方に』(02年)も50年代が舞台でしたが、50年代に惹かれる理由は?

トッド・ヘインズ監督(左)とキャロル役のケイト・ブランシェット(右)
監督:僕の作品の特徴は、ほとんどすべて設定が過去になっていることだ。でも、本作の舞台である1952年から53年は、『エデンより彼方に』の1957年とは全く違うと思うよ。
 まず、あの時代のダグラス・サーク監督のメロドラマに強い興味があるんだ。現実の50年代には興味がなかった。興味があったのは映画の中の50年代だ。(『エデンより彼方に』の舞台となった)当時のコネティカット州ハートフォードの人たちが実際にどんなだったかはどうでもよかった。登場人物にLAのバックロット(撮影用の野外セット)から出て来たように見えてほしかった。
ニューヨークで撮影されたドキュメンタリー・ドラマはとても参考になったよ。当時のニューヨークは40年代後半から脱け出したばかりで、寂れてすすけた汚い町だった。ダグラス・サーク監督のホームドラマにある、キラキラした、エナメルを塗ったようなコネティカット郊外とは全く違う。だからこの2つは僕の中では別物だ。

──現代の作品ではなく、「50年代に撮られたように撮る」ということが、監督にとっては重要だったということですか?

監督:ああ、そうだけど、僕は当時の映画を見ていたんじゃない。当時の考証文献を見ていた。
 見ていた映画は恋愛ものが多かった。映画の素晴らしいラブストーリーの中で、視点や主観性がどんな位置づけをされているかを見ていた。基本的に小説ではどんなふうにテレーズ(ルーニー・マーラーが演じた役)の視点に根差しているかを追っていた。テレーズの視点がとても好きだった。とても強いと思った。この企画を始めて脚本の手直しをする時は、ある意味、そこに戻っていた。

(2016/02/10)


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トッド・ヘインズ
Todd Haynes

1961年1月2日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身。10代から映画に関心を持ち、高校時代に最初の短編『The Suicide』を製作、大学時代にはアルチュール・ランボーにインスパイアされた中編『Assassins: A Film Concerning Rimbaud』(85年)などを製作した。その後、ニューヨークに移り、88年にはバービー人形を使ってカレン・カーペンター(カーペンターズの妹)の最後の日々を描いた中編『Superstar: The Karen Carpenter Story』(88年)で注目される。ジャン・ジュネの小説「薔薇の奇跡」を原作とした長編デビュー作『ポイズン』を91年に発表。その後、『SAFE』(95年)、70年代グラムロックのスーパースターとなった青年を描いた『ベルベット・ゴールドマイン』(98年)、ダグラス・サーク監督の『天はすべて許し給う』(55年)にオマージュを捧げた『エデンより彼方に』(02年)、6人の俳優にボブ・ディランを演じさせてディランの半生を描いた『アイム・ノット・ゼア』(07年)と、アカデミー賞はじめ国際的に高く評価される作品を次々に生み出している。

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