ムビコレFacebookムビコレtwitterムビコレYoutubeムビコレニコニコ動画

映画・DVDの最新ニュース・予告編・動画は[ムビコレ]

『生きてるものはいないのか』石井岳龍監督インタビュー

石井聰亙改め石井岳龍監督が12年ぶりの新作映画について語る

『生きてるものはいないのか』石井岳龍監督インタビュー
染谷君は久しぶりにこの人と仕事をしたいと思った俳優さんでした。
──今回オーディションで選んだ若手俳優たちはどのような基準で選ばれましたか?

石井:インナーの方を描くというのが今回の狙いなので、特別なことは考えてなくて、役に合った人、それから18人も出てくるので描き分けというのも必要だと思うのでキャラが被らないようにしたりとか、最終的には演技力でしたね。
 会話を映画内の時間でテンポ良くするためには相当なスピードも要求されますし、コンビネーションは出来て当たり前なので、その上でこちらのカメラポジションに対する動きの振り付けもありますし、アドリブもある。いくらでも面白くなるシチュエーションで、基本がしっかり出来ていなくてはならない。
 あとは、天候との戦いもありますから、そういうのも全て取り入れてある種のスリルを出したかった。今この瞬間にこの天気のなかであなたはどう生きているんですか、っていうことも問いかけました。ただ役を演じているのではなくて、そこに生きるということ。映画には全部映るので、それがその人の魅力になり、映画の魅力につながる。そういうことに耐えられる人を選びました。

──主演の染谷さんは非常に魅力的でした。起用した理由は?

石井:染谷君は映画映えする俳優さんだということを『パンドラの匣』という映画を見て感じ、すごい衝撃を受けました。本当にキリッとしているし、クローズアップ力があるし、年齢不詳な雰囲気があった。
 撮影当初はまだ高校生だったのですが、本当に驚きましたね。本人が持っている柔軟性と映画に映ったときの力、これが映画俳優さんだというのが分かることが重要だと思います。実物を見ているときよりも映画に映したときに何か異様な迫力が出る。オーラが出る。染谷君は久しぶりにこの人と仕事をしたいと思った俳優さんでした。

──登場人物は、女性の方がまともなことを言ったり一生懸命であるのに対し、男性はまともじゃないキャラが多かった印象がありますが、その辺りは?

石井:これは時代ということもあるのではないでしょうか? 僕らは完全に女性に支えられてますね(笑)。男は理屈っぽい、私を含めてね。女性は強くてイキイキしているし、明るさやしなやかさがある。「この世で一番大事なのは女性の笑顔である」というのはジャン・ルノアールの名言ですが、それはこの作品でも思いましたね。
 この映画に出演したいと言ってくれた女優さんたちのイキイキとした感じをとらえるというのは1つのテーマだったし、僕ら男性が陥っている何かも滲み出ているんじゃないかなと思います。

(2012/02/19)


【関連記事】



石井岳龍
いしい・がくりゅう

1957年1月15日生まれ、福岡県出身。日本大学芸術学部の卒業制作として作られた『狂い咲きサンダーロード』(80年)や、『爆裂都市  BURST CITY』(82年)、『逆噴射家族』(84年)などで熱狂的な支持を得る。主な監督作品に『エンジェル・ダスト』(94年)、『水の中の八月』(95年)、『五条霊戦記 GOJOE』(00年)など。映画のみならずPVやテレビドラマの監督も手がけ、2006年より神戸芸術工科大学で教鞭(きょうべん)を執る。2010年1月に石井聰亙改め岳龍に改名した。

2012年2月18日よりユーロスペースほかにて公開
[監督]石井岳龍 [出演]染谷将太、高梨臨、白石廿日、飯田あさと、高橋真唯、田島ゆみか、池永亜美、札内幸太、長谷部恵介、師岡広明、羽染達也、青木英李、田中こなつ、渋川清彦、津田翔志朗、芹澤興人、杉浦千鶴子、村上淳 [DATA]2011年/日本/ファントム・フィルム/113分
(C) DRAGON MOUNTAIN LLC.

MOVIE Collection