ムビコレFacebookムビコレtwitterムビコレYoutubeムビコレニコニコ動画

映画・DVDの最新ニュース・予告編・動画は[ムビコレ]

『喝 風太郎!!』市原隼人インタビュー

“元熱血少年”が、あきらめきれない人生を語る

『喝 風太郎!!』市原隼人インタビュー
相手の気持ちを100パーセントを理解することはできない

『喝 風太郎!!』
2019年11月1日より全国順次公開中
(C)本宮ひろ志/集英社 (C)2019 株式会社浜友商事
「サラリーマン金太郎」や「俺の空」などの原作者である本宮ひろ志の人気コミックを実写映画化した『喝 風太郎!!』。本作で、大酒ぐらいで大の女好きという破天荒な僧侶・風太郎を演じたのが、俳優・市原隼人だ。

2001年『リリイ・シュシュのすべて』でスクリーンデビューを飾ったとき中学生だった市原も、現在は32歳。「年を重ねるたびに分からないことが増えてきた」と語る市原の真意に迫る。


──漫画原作である本作。風太郎というキャラクターも現実離れしたところも多く見られますが、どのように捉えて役に臨んだのでしょうか?

市原:人間の本来のあるべき姿を見ているような人で、演じられることがすごくうれしかったです。一見、お酒好きで女好き、破天荒で我が道を行くような男に感じられますが、その裏には幼少期に大切なものを失った悲しさや寂しさがある人物。その隙間を仏法に頼っているところも人間臭いなと思いました。

──破天荒な風太郎だからこそ、説得力があると感じる部分も多かったです。

市原隼人
市原:クマのぬいぐるみみたいな風貌で、矛盾だらけ。でもだからこそ、多くの人の目線に立てるし、親近感もあると思います。人って結局概念を外していくと、最後は物体もなくなって、命だけが残ると思うんです。そのなかでなにを信じて生きていくか――。脚本を読んでいると、自然に入ってくる言葉が多く、生きるヒントを与えてくれます。

──市原さんにとって、生きていくうえで信じるものとは?

市原:結局は信じるものは自分しかないと思います。コツコツと相手の気持ちに寄り添っても、100パーセント気持ちを理解することはできません。とは言いつつも、自分のことはもっと分からない。他者との関係性のなかで、自分を知っていくものだと思うのですが、それも年々分からなくなっています。

──年を重ねるたびに分からなくなっていく?

『喝 風太郎!!』
(C)本宮ひろ志/集英社 (C)2019 株式会社浜友商事
市原:はい。10代は自我が芽生えてきて「この服が好き、この音楽が好き、このアーティストのライフスタイルが好き」と興味を持つことで、影響を受けて自分自身の生き方も固まっていくと思うんです。そのアイデンティティに従って生活をしていくのですが、不思議なことに、僕は30歳を超えて、一度固まったものが崩れていく感じがします。「もしかして自分が信じていたことは、ただの押し付けやわがままなのかも」と。

──でもそうなると、生きることが少し楽になったりしませんか?

市原:それは感じます。すべてを受け止められるというか、いままでよりも視野が広がってきたことで、マイナスだと感じられたこともプラスに見ることができる。その分なにかを失い、寂しさを感じることはあるのですが、自分を一つの点として、360度見渡せる感覚になっているような気がします。

──そんななか、いまの市原さんの理想というのはどこにあるのでしょうか?

市原:客観的な視点を持ちつつ、本気で笑えて泣けて悔しがって、物事の根源を大切にできる瞬間を増やしていきたいという思いがあります。いまの自分のなかの夢ですね。

(2019/11/01)


【関連記事】



市原隼人
いちはら・はやと

1987年2月6日生まれ、神奈川県出身。01年公開の映画『リリイ・シュシュのすべて』でスクリーンデビューを果たすと、『偶然にも最悪な少年』(03年)、『チェケラッチョ!!』(06年)、『天使の卵』(06年)、『虹の女神 Rainbow Song』(06年)などで印象的な演技を見せる。08年にはドラマ、映画と社会現象にもなった『ROOKIES』でメインキャラクターを演じ話題に。今年は、映画『3人の信長』、オムニバス映画『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』(『桜咲く頃に君と』に出演)が公開され、ドラマ『おいしい給食』も放送中。フォトグラファー、映像監督としても活躍中。

MOVIE Collection