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『TOKYO!』ミシェル・ゴンドリー監督&ガブリエル・ベル(原作)インタビュー

男と女は、どこまで行っても平行線……?
  • 『ポンヌフの恋人』のレオス・カラックス、『グエムル─漢江の怪物─』のポン・ジュノ、そしてミシェル・ゴンドリー──世界的に活躍する3人の鬼才監督が、躍動する都市・東京の今を切り取ったオムニバス映画『TOKYO!』。この中の1本『インテリア・デザイン』を監督したミシェル・ゴンドリーと原作者で共同脚本のガブリエル・ベルが来日。映画について話を聞いた。
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  • 切ないラブストーリー『エターナル・サンシャイン』(04)でアカデミー賞脚本賞を受賞したミシェル・ゴンドリーが手がけた風変わりな作品のヒロインは、不器用で控えめな部分を持つ女性ヒロコ。映画監督志望の個性的な恋人と共に上京した彼女は、家探しを続けるうちに、自分の存在意義に疑問を抱き始め、いつしか身体に変調をきたしてしまう……。このヒロインを藤谷文子が、恋人を加瀬亮が演じているのだが、リハーサルも演出もなしでいきなり本番を撮り始める手法に、2人とも驚いていたという。そんな撮影方法について聞くと、彼はこう答えてくれた。
     
  • 「リハーサルをしないのは、テストで良い映像が撮れてしまうと、後は下り坂だと思ってしまうからなんです。最初のテイクで演出をしないのは、こちらが初めから方向性を決めてしまうと、他のアイデアを持っていたとしても言い出すことができなくなってしまうから。とにかく面白さを増すための機会を失わないようにしたいんです。今回は、とても良いコラボレーションだったと思います」
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  • 本作の原作コミックを手がけ、監督と共に脚本にも携わった漫画家のガブリエル・ベル。03年に“もっとも卓越したミニコミック”に贈られるイグナッツ賞を受賞するなど、各方面から才能を高く評価されている作家だ。少女のような初々しさが印象的な彼女に、創造力を培(つちか)うコツについて聞いた。
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  • 「クリエイティブになるコツは人それぞれだと思います。私の場合は、とにかく飽きるまで、ひとつのものをコツコツと作り続ける。そうすると、次第に何かが生み出される。ただし、毎日やらなければなりません」
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  • では、ゴンドリー監督は?
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  • 「僕の場合は、たくさんのアイデアの中から“できそうなもの”は排除していく。そして、『こんなことをするなんて、なんてバカなんだろう! なんて大変なんだろう!』と思うことを形にしていくんです。それはとても大変な作業だけれど、だからこそクオリティが高くなる。産みの苦しみはもちろんあります。髪も抜けるし下痢もするし(笑)、眠れなくなってしまいますね」
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  • ニューヨークのカフェで偶然出会ったという2人。今では公私に渡る良きパートナーでもあるが、作品に2人の関係は反映されているのだろうか。原作者のベルはこう語る。
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  • 「2人で口論するシークエンスは、結構、自叙伝的ですね。私が小さな事で機嫌を損ね、ミシェルが話題を変えようとする、そしてさらに私の機嫌が悪くなり、最後にはジョークでなんとなく話題を変えて、なんとなく尻すぼみに……というような(笑)」
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  • ゴンドリー監督の意見は?
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  • 「女性は──と、ひと括りにまとめると彼女は怒るんだけど(笑)──たいていの場合、自分の感情を一生懸命表現しようとする。男性はそれを自分のロジックでなんとか理解しようとする。だけど結局、違うロジックで話しているから、どこまでいっても平行線なんだよね。そうして2人の間の溝が大きくなっていって……というようなことは、どのカップルでも経験していることだと思うんだけど」

     

    撮影前、「仕事中心の大人社会で生き抜くのに必要な本能的な衝動を持ち得ない、繊細な女性のキャラクターを描きたい」と語っていたゴンドリー監督。そのヒロイン像は、横に座るベルを彷彿とさせるのだが、完成した作品には、そんな“繊細な女性”への温かい眼差しに満ちているように感じる。ちなみにヒロインの名前“ヒロコ”は、ベルのルームメイトだった女性の名前なのだとか。

    (08/08/15)



『TOKYO!』ミシェル・ゴンドリー&ガブリエル・ベル

『TOKYO!』ミシェル・ゴンドリー
ミシェル・ゴンドリー
1963年生まれ。フランス出身で、現在はニューヨークに在住。『エターナル・サンシャイン』(04)でアカデミー賞脚本賞受賞。『僕らのミライへ逆回転』が08年秋に日本公開される予定。

『TOKYO!』ガブリエル・ベル
 ガブリエル・ベル
イギリス出身。2歳の時に両親の離婚でアメリカに移住。03年にイグナッツ賞受賞。『TOKYO』のミシェル・ゴンドリー監督作『インテリア・デザイン』の原作と脚本を担当。 

『TOKYO!』ミシェル・ゴンドリー&ガブリエル・ベル
 

『TOKYO!』
 

『TOKYO!』
『TOKYO!』