入来茉里×田中あさみ

海が舞台の青春映画にW初主演した若手注目株を直撃！

2010.04.09

『海の金魚』入来茉里×田中あさみインタビュー

故郷の新たな魅力を発見（入来）
海には不思議な魅力がある（田中）

父の失踪と親友の死。辛く悲しいできごとに心を閉ざしてしまった2人の女子高生が偶然にも出会い、ヨットレースへの出場を通じて成長していく姿を描いた青春映画『海の金魚』。毎年、鹿児島の錦江湾で行われている過酷なレース、火山めぐりヨットレースを舞台にした作品で、思春期の揺れ動く感情が、繊細なタッチで綴られ、爽やかな余韻を残す。
父の失踪後、不登校となり、父が愛していたヨットで生活しているミオを演じたのは、ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞し芸能界入りした入来茉里。一方、ヨットの天才少女だったものの、練習中の事故で親友を亡くした悲しみから立ち直れずにいるキヨミを、セブンティーン専属モデルとしても活躍する田中あさみが演じている。

2人の少女の友情を、等身大の演技で伸びやかに演じた入来と田中に、映画について、そして女優という仕事の魅力について話を聞いた。
──2人ともヨットは初体験ということでしたが、海やヨットはいかがでしたか？
入来：ヨットについては、休日に大人たちがシャンパンを飲みながらくつろいでいるというクルーザーのイメージを抱いていたので、初めて練習に行ったときは「想像と違う！」と（笑）。
　船酔いしやすい体質だったので、酔い止めの薬を飲みながらの撮影で大変でしたが、ヨットはとても面白かったですね。私は鹿児島出身なのですが、海から見た鹿児島の風景が新鮮で面白くて。故郷の新たな魅力を発見できました。
田中：撮影の合間にヨットから海をボーっと見ていたりすると、心が洗われるような感じで、海には不思議な魅力があると思いました。
　ヨットについては、いい感じに風があって太陽が気持ち良くて……というイメージを抱いていたのですが、いざ操縦すると、風を感じているような余裕はなくて（笑）、ダイエットできるくらいにハードなスポーツでした。でも楽しかったので、また（ヨット仲間として共演した賀来賢人さんなど）5人で乗れたらいいねって言い合っているんです。
──撮影中、スタッフがヨットから海に投げ出されてしまった事故もあったそうですが、恐くはありませんでしたか？
入来：あの事故のときはたまたま休憩をとっていたのですが、もうちょっとタイミングがズレていたら完璧に私も投げ出されていたと思います。
田中：事故が起きたときは、あまりの出来事に2人でポカーンとしてしまって……。でも、あの事故があったことで気が引き締まったというか。それ以来、注意して撮影に臨むようになりましたね。
──今回は2人とも心を閉ざした女の子の役を演じたわけですが、女優という仕事の面白さについて教えてください。また、大変だと思うことはありますか？
入来：自分だけど自分じゃない人の気持ちになって色んなことが体験できるのが面白い。それに、色んな方とも出会えるので、いろいろな刺激も受けられるという部分も魅力です。
　大変なことはありませんね。たとえ船酔いがひどくても（笑）大変だとは思わない。役に関して努力することは必要なことなので。もしかしたら、これからものすごく大変なことがあるかもしれませんが、なんとか乗り切れるという自信があります（笑）。
田中：私も、まったく違う世界の人間になれることが魅力だと思います。大変なことはないのですが、辛いことはあります。思うように演技できなかったときは、後悔やもどかしさを感じ、辛いですね。でも、だからこそ、次にもっと頑張ろうと思えるんですけど。
──お互いの魅力について教えてください。
入来：恥ずかしいな（笑）。……田中あさみちゃんはすごくしっかり者。撮影中、私がミオの気持ちになりすぎてワンワン泣いちゃったときがあるんですけど、あさみちゃんがしっかり支えてくれて、無事に撮影できました。
　知り合って間もないんですけど、鹿児島で撮影した1カ月はすごく濃くて、あさみちゃんのことが大好きになりました！
田中：照れるね（笑）。茉里ちゃんは、普段は元気なのに、たまにくじけて泣いちゃうところもあって、すごく可愛いんです。でも逆に、私がくじけそうなときにはものすごくお姉さんで頼れる存在。1カ月間笑顔で過ごせたのも、茉里ちゃんの支えがあったから！　ステキな女性、大好きです。
入来・田中：告白し合ってるみたいで恥ずかしいですね（笑）。
──最後に、映画の見どころについて教えてください。
田中：家族愛や友情を描いた映画で、見終わった後、今まで支えていてくれた家族や友だちに感謝する気持ちになっていただけると思います。
入来：この映画のもうひとつのテーマは冒険。この映画を通じて私は、もっと自分の可能性を信じてもっと頑張りたいと思ったので、みなさんにも、新たなことに挑戦する前向きな気持ちになってもらえたら、とても嬉しいです。