穂のか

若手注目株が、初主演作について、家族について語った!

 

『アンを探して』 穂のかインタビュー

映画『アンを探して』穂のかインタビュー

 

仕事を始めて、父への尊敬の念が強まった

  •  モンゴメリの名作「赤毛のアン」をモチーフにした映画『アンを探して』。1人の少女が、「赤毛のアン」をこよなく愛した亡き祖母の思いを胸に、物語の舞台となったカナダのプリンス・エドワード島を訪れ、様々な出会いの中で成長していく姿を描いた作品だ。

     主演は穂のか。映画出演2作目にして初主演という快挙を成し遂げ、一躍、脚光を浴びた彼女は、とんねるずの石橋貴明の長女でもある。いわゆる「二世タレント」の1人だが、親の助けなしにオーディションで役を勝ち取った実力派だ。とはいえ、父親の存在を否定するわけではなく「昔から父を尊敬している」と語り、「父の血が半分入っているわけだし、父のことを聞かれるのは当たり前」と自然体を貫く姿勢が爽やかだ。

     映画の主人公・杏里は内気で引っ込み思案だが、本人は大らかで明るく、いたって前向き。そんな穂のかに、映画について、そして父親への思いについて聞いた。

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  • ──出演2作目にして初主演という快挙を成し遂げたわけですが、感慨は?
  • 穂のか:最初は全然、実感がわきませんでした。オーディションに受かったと言われたときも、「どっきりカメラ」かと思ったくらい(笑)。不安やプレッシャーはありましたが、現場に入ってしまえば楽しいことばかりでした。
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  • ──撮影2週間前のオーディション。しかも、すでに監督がロケ地のカナダに入ってしまっていたので、ネットを通じてテレビ電話のような形でのオーディションだったと聞きましたが。
  • 穂のか:まず台本を1時間くらい読んで、準備ができたからと言われて部屋に入ったらコンピュータがあって、モニターに向かって「こんにちは」みたいな(笑)。(カメラ越しなので)動きのある場面でも座って演技しないといけないので、難しかったですね。空気感も伝わらないし。絶対、落ちたと思っていました(笑)。
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  • ──プリンス・エドワード島でのオールロケは楽しかったですか?
  • 穂のか:島は、夢だったのかと思うくらいきれいな場所でした。横断歩道がないような所でも、道を渡ろうとすると車の方が止まってくれるピースな場所だし(笑)。私は、生まれも育ちも東京なのですが、帰国してから思い出しても現実味が感じられないくらい。夢のような1ヶ月でした。また行きたいけど、遠いんですよね……。
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  • ──主人公の杏里は内気な少女で、穂のかさんとは正反対に思えます。
  • 穂のか:私はよく、元気だねとか、よくしゃべるねって言われるので、どっちかというと正反対なんです。でも、杏里ちゃんは、おばあちゃんの初恋の人を探すためにカナダまで1人で行っちゃうような芯の強さもあり、共感できましたね。
     杏里ちゃんのキャラクターを愛していたので、どうやったらそのかわいさを見る人に伝えられるだろうと思いながら演じていました。
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  • ──劇中、杏里は淡い恋をしますが、穂のかさん自身の初恋の思い出は?
  • 穂のか:……どれが初恋なんでしょうね(笑)。母に聞いたところでは、3歳くらいの頃に、ハーフのはじめちゃんという男の子が好きだったそうです。覚えているのは、幼稚園の時。じゅん君という男の子が好きでした(笑)。ハワイに住んでいた小学生の時には、テレビを通じて、ウッチャンナンチャンのウッチャンに恋していました。
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  • ──恋愛には積極的なタイプ?
  • 穂のか:積極的というか、隠せないというか(笑)。態度に出しちゃうし言っちゃうし、意識して出しているつもりではないのですが、駆け引きとかができないんです。
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  • ──初恋に胸がキュンとする一方で、反戦のメッセージも込められている作品ですね。
  • 穂のか:フワっとしたお話ではあるのですが、そんな中にも戦争の影があったりして、メッセージ性があります。でも、それを重く描くのではなく、爽やかに、胸に届くように描いていて、その辺も映画の魅力だと思います。
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  • ──女優の仕事は、いつ頃から目指し始めたのですか?
  • 穂のか:父がテレビに出ていたこともあり、物心が着く前から、興味があるなし以前に漠然と、自分もこういう世界に入るんだろうと思っていました。女優さんというお仕事を意識したのは3年前ですね。
     マンガが好きで「ハチミツとクローバー」のファンなのですが、映画化されて公開された時に、ほぼ初めてに近いくらいに単館系の邦画を見に行ったんです。それまでは映画と言えば洋画か超大作ばかりだったので。
     その時に、「ハチクロ」の素晴らしさに胸を打たれて、主演の蒼井優さんに恋をしてしまいました。それ以来、どんどん邦画を見て、気づいたらドップリ邦画好きになっていました。
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  • ──邦画で好きな作品は?
  • 穂のか:初めて名前を覚えた監督は三木聡監督で、作品のDVDは全部持っています! それから、今年のベストは園子温監督の『愛のむきだし』。去年は黒沢清監督の『トウキョウソナタ』が一番でした。あとは、是枝裕和監督の『歩いても 歩いても』も好きだし、『かもめ食堂』の荻上直子監督や石井克人監督、西川美和監督、根岸吉太郎監督の作品も大好き。言い出したらきりがありませんね(笑)。
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  • ──女優になりたいと言った時のご両親の反応は?
  • 穂のか:母はとても自由な人なので、私が何をしても、穂のかがやりたいことをすればいいよってずっと応援してくれ、協力してくれていました。
     父も同じなんですけど、自分と同じような世界に入るのは心配だったと思います。前に歌をやりたいと相談したことがあるのですが、怒鳴るほどド反対されて。だから、女優を目指した時は、絶対相談しないと決めていました。父が嫌がることをやるのは気後れしてしまう部分もあったので、だったら言わないでやっちゃおうと、オーディションを受けたことも内緒で、事後報告でした。
     でも、映画を撮り終えたときに父が、「協力はしないけど応援はするよ」って言ってくれて。「ああ、やっていいんだ」と、初めて気持ちがラクになりましたね。
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  • ──お父様からアドバイスをもらったりしますか?
  • 穂のか:娘ということで取り上げてもらえるのも最初だけだから、1つひとつの仕事をきちんとやって、一歩一歩確実に進みなさい、と。
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  • ──二世タレントと言われることを嫌がる人もいますが、穂のかさんはいかがですか?
  • 穂のか:嫌がる気持ちも分かりますが、私にとって、父のことを聞かれるのは当たり前なので(笑)。父は父だし、父の血やDNAは半分入っていて、やましいことではないので、抵抗はあまりないですね。
     同じような境遇で生まれ、同じ世界でお仕事をしている人を見るのはいい刺激になるし、直接知らなくても、「頑張ってるな。私も頑張ろう」って思います。
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  • ──ご自身も芸能界に入ってみて、お父さんへの気持ちに変化はありましたか?
  • 穂のか:このお仕事を始める前から尊敬していましたが、テレビのお仕事などもさせていただくようになって、尊敬の念が強くなりました。父も色々なことを乗り越え、努力しているんだと、以前よりももっと実感するようになりました。
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  • ──今後は、どんな風に活動していきたいですか?
  • 穂のか:まだ、ドラマにも舞台にも出たことがないので、経験してみたいですね。映画が好きで大事にしたいので、映画を軸にしながら、何にでも挑戦していきたいです。
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(09/10/29)

映画『アンを探して』穂のかインタビュー

ほのか
1989年にとんねるず・石橋貴明の長女として生まれる。『The Harimaya Bridge はりまや橋』(09)でデビュー。知的障害のある中学生役を好演し、注目を浴びた。2作目となる本作で初主演を果たす。

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映画『アンを探して』穂のかインタビュー

映画『アンを探して』穂のかインタビュー

カナダのプリンス・エドワード島での撮影の様子。上:共演者、監督と共に/下:監督(左)と熱心に打ち合わせ

 

映画『アンを探して』穂のかインタビュー

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映画『アンを探して』穂のかインタビュー 

 『アンを探して』
10月31日よりシネカノン有楽町一丁目ほかにて全国順次公開

(C) 2009 Zuno Films グランジュテ
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