下町のチンピラ映画プロデューサー神田裕司です!
さて、
前回の続きね。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ率いる、ナイロン100℃の「黒い十人の女」ね。
これも6月に入って、クレイの嶌津社長からご案内頂いて観て来た。
随分、ケラさんも、追っかけさせてもらってる。
休憩も入れて3時間半レベルの長丁場の芝居を、素晴らしい笑いのセンスを散りばめながらきっちり毒を持って表現するオリジナル作品をコンスタントに発表してくる才能に、すっげぇ表現者だなっていう感嘆の思いで、毎回、観ている!
現代日本の舞台芸術を論じる上で、絶対外せない人であり劇団ね。
誰もが認めるトップランナーの中のトップだかんね。
ただ、今回は趣が変わって、あの市川崑監督作品「黒い十人の女」の映画の舞台化だ!
オリジナルじゃ、ない!
で、どうすんだろってことで、青山円形に足を運んだ!
いやぁ、でも流石!
俺は映画も昔観ているんで筋立てがほとんど分かっている分、今回は、舞台の演出そのものが裸になって浮き上がってくるように見えたんだけど。
よりストレートに、改めてそのケラさんの才能をみせつけられた一本になった!
もともとケラという芸名で音楽もやっていたケラさんの音の使い方そのもののセンスは、独特だしね。
映画原作ってことで、映画全体に対するオマージュもあるのか、今回は珍しく映画「鬼畜」のテーマ音楽等映画音楽も随分効果的につかってたなぁ。
んでもって、台詞と各種効果とを鋭く連動させる演出はやっぱり独特の音楽的なリズムがあって格好いいし、それ自体が笑いになっていたり狂気になって行ったり、微妙な違いでそれらを自在に使い分けて表現するから、がんがん打ち込まれる意外性の中で、観客が話や世界観に巻き込まれて行くといったいつもの構造は今回も健在!
なにより、象徴的に音楽とアクションだけでイメージを伝える演劇独特のシーンの演出のクォリティーの高さには圧倒されたな。
俳優一人一人のちょっとした動きや表情まで計算されつくされていて・・・、とっても複雑で美しいし・・・、
こんなに、上手いんっすね!
改めてビックリしやした!
さらに、進化してるんすかねぇ・・・。
まだまだ当分、演劇界を引っ張って行きそうな感じ有り!
付け加えると、俳優陣もすっごいよ。中でも、今回はみのすけさんがスーパー大活躍!
最後に、
久々、帝劇で!
100周年記念公演「レ・ミゼラブル」ね。
これは、知人の女優、折井理子さんが見事オーデションでコゼット役に抜擢されたんで!
その約2ヶ月半に及ぶロングラン公演の折井さん出演Ver.の千穐楽に行って来た!

凄いよね。
12000人の中から選ばれてるんだからね。
この人たち!
で、折井さんが見事射止めたコゼットね。
コゼットってのは主役のジャン・バルジャンの娘で、その無垢な存在自体がジャン・バルジャンの心情と行動全ての起点になっていくというとっても重要な役!
芝居のオーラスは、コゼット役の彼女とその相手役のマリウス二人が舞台中央で出演者全員に囲まれながら全員で歌う大コーラスだかんね。
俺ぁ~、内容ってよりも、自分の娘が出演しているような気持ちでドキドキしながら観ていたので、そのシーンではさすがに泣きそうになっちゃったよ!
こちらも休憩ありの3時間半に及ぶ長丁場!
生オーケストラは入るし、圧倒的な物量で押し流してくる昔からの翻訳物ミュージカルの王道スタイル!
いや、先ずは、
このすっげぇ舞台にど真ん中で関わり、凄まじいプレッシャーの中で最後まで突っ走りきった折井さんに拍手!!
それだけで、個人的には十分楽しめた一時だった。
ただ、
舞台のそのものについては、どうだったんだろうとちょいと疑問が残る出来だったかなぁ。
シナリオも甘いし(ま、あの原作をよくまとめたなったことではしょうがないんだろうけどね。それはわかってるんだけど、敢えて)なぁ。
演出そのものは、25年前にかけたロンドンオリジナル版ってことでやってるようなんだけど、確かに音楽も古い、ってか単調だし、歌詞も音に乗ってない感じなんだな。
そのせいか、はたまた、ただ単に技術が無いせいか、肝心な俳優さん達のレベルが相対的に低くみえるんだよね。
いや、
確かに物量を象徴する美術だけはすごかったけどね。
大掛かりって意味では。
だっけど、それ観に来てるわけじゃないしな。
あっ、照明も良かった!
暗部を活かすプランで、ビカッと全面をフラットに明るく照らす演出とは違い、薄暗くって雰囲気がある。
ちょっと目の悪いお年寄りなんかからは、よく見えねぇって苦情が出てきそうな吊り方してんのね。
にもかかわらず、かえってゴージャス感はあるし。
もちろんきちんと大道具と連動してる!
25年前だったら確かにこれは斬新だったかもしれないね。これは今でも通用する最先端のプランだと思うし、なにより好みッス!
それ位だったかな、観るべきものがあったとしたら。
ただこれって、やっぱり本末転倒な感じだよね!
舞台は役者こそ命だよ!
その役者の演技を引き立たせるために全ての効果があるはずなんだけど、効果ばっかりが目立っちゃうってのは、なぁ。
最初から最後まで、俳優達は自分たちだけやった感があって気持ちいいから、自分にうっとりしてるしなぁ。困っちゃったなぁ。
終演後は恒例の客席スタンディングオベイションだし。
これ、なんかの儀式????
席立たないと周りの関係者達から睨まれるしね(恐ッ!)
ブラボーとか言っちゃったりして。
ブラボーじゃない、っうの!
このレベルの舞台ででこんなことやってちゃ、なぁ。
スタンディングオベイションは、慣習でもなければ、礼儀でもないと思うんだけど・・・。
もともと、そんな文化無いでしょ、日本に。
むしろ反対だよね。
ダメな稚拙な芸に対しては、日本人は拍手どころか席に深く沈んで舞台に向かって足袋をみせて否定したって話しがあるくらいでね。
そうやって悔しさの中から芸人は芸を磨いていったって、なんか落語家の話であったぞ!
そうやって客が芸人育てたってさ。
これじゃあ、猿真似以外のなにものでもないよな。
明治時代に鹿鳴館つくって欧米化しようとして笑われて失敗した井上外交みたいになっちゃってるぞ!!って、分かりにくいかっ?(笑)
板についてないのよ、とにかく!舞台だけに!って、これも分かりにくいかっ!(笑)
これじゃ、ダメだよ。
俳優は育たないし、客は本当の意味で心が震えるような舞台の奇跡を知らないしね。
舞台なんてこんなもんだと思ってる。
こんなもんで、こんな具合に立って拍手しとけば良いって思ってる。
こんなもんじゃないんだよ!
芝居ってのは!
観に来たあんたの人生を根底からひっくり返してしまう程の人生の中の宝物のような体験があるはずなんだよ!
そんな芝居に出会った時には、もはや席でじっとしていられず、思わず立って拍手してしまう!
なにか、その素晴らしい体験をさせてくれた舞台の人に向かって言葉をかけたくなる、叫びたくなるってのが、舞台なんだよ!
それなのに・・・、なんだよ、これ!
・・・なんかどうしようもない感じだったかな。正直言うと。
舞台後、
折井さんの楽屋にご挨拶に行ったら、そりゃあ、折井さんの千穐楽ってことで、ご挨拶の関係者でいっぱい!
その中で、舞台関係者だと思うんだけど、折井さんを待ってる間中、ずっと自分の自慢話ばっかりしている「俺はもう監督だから・・・、俺の教え子は・・・」みたいな!、若年寄みたいな40代位のおっさんが連れの若い女の子相手に一人ではしゃいでるのがいてね・・・。ん、こいつプロなのかな?学校の先生か?なんかそんな感じで、こんな奴らが作ってるんだもんな・・・、ま、そんなのも含めて、なんかこの舞台全体の印象が、なんだかなぁ~~・・・。
これまたいつもの俺の体制に対する反骨精神が多分に混ざっての印象だとは思うんだけど・・・それにしてもなぁ。
俺は、味方がいなくて単独で頑張っているやつとか、弱いけど戦いを挑んでいくやつ等が好きなんだよね。
よくやっているな、と!ってか、すげぇ~~って思う!
それに対して、恵まれた環境にいてのんびりしているやつ等をみると、
「そんな豊かな環境でやってるんなら、言い訳出来ねぇぜ。」
「そんなレベルで納得してんじゃねぇっ!」とついつい毒を吐きたくなってしまうわけで・・・。
ま、恨み言はこのくらいにして(笑)
折井さんのメジャーデビューを素直に祝おう!!
いろいろ勝手なことを言ってはいても
この舞台は日本で最上位に位置する舞台であることに間違いなんだから。
いや、だからこそ、もっとしっかりしてくれって意味で、期待値が高いだけに一言奏したのよ。
誤解しないように!(笑)
ちゃんと、日本のエンタテインメント界をリードしてくれっ!って意味でね!
大阪商人丸出しの、自分だけが儲かれば良い的なことじゃなくてさ、お願いしますよ!ホントに!
また、始まっちゃった・・・。
折井さんのことだった!
そんな素晴らしい役を(いや、ホントにね!)自らの力でつかみ取った折井さんに、
貴方の素晴らしい第一歩に!
おめでとう!

これ、ロビーに張り出されていた折井さんのメッセージね!
あっと、
忘れちゃいけない。
阿部能丸さん出演の、新宿風紋でっていうお店でやった
月蝕歌劇団の
白夜月蝕の少女航海紀ーシリーズ3ー「回転木馬共和国の逆襲」にも行ったんだった!!

この写真朝日新聞掲載ね! 左がいつもの阿部能丸さんね!!
原発の問題がんがん出て来て鋭い鋭い!観ているこちらもヒヤヒヤドキドキ!!
この位、思想が無いと、やる意味ねぇよな!
大、大、大拍手!!!
政府や関係者に命狙われる位な台詞が飛び交ってます!
つか先生の飛龍伝の中の台詞でもありやした。
「そんなに原発が安全、安全っていうなら、皇居の真ん中に建てりゃあ良いじゃないですか!」ってね。
命がけで芝居してるよね。
これこそ、スタンディングオベイションっすよ!!
あと、あと、
アトリエヘリコプターでやった
ザ・プーチンズの完全脱力系舞台「川島さる太郎の自己破産」も拾い物でしやした!!!
才能は、小劇場にあり!
急げ!
お後が、よろしいようで!














